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~文化祭~Xday 黒 ⑨最終話~

こんばんは~juniです。
とうとう~文化祭~Xday「黒」も最終話です。



~文化祭~Xday 黒 ⑨最終話~

「勝者山本春海君には、マリー姫手作りの、甘いチョコレートケーキを試食して頂きます。その後に、ご希望の、マリー姫とのツーショット撮影です。」

喫茶~ベルばら~では、腕相撲大会優勝者の表彰がすでに始まっている。

前方では、優勝した春海が、いるかが現れるのを待っていた。

教室の後ろでは、準優勝の巧巳と、4位内入賞の玉子が、見物しながらもコソコソ話をしていた。

「あ~あ、いるか可哀想に。巧巳もさ、もう少しやると思ってたのに。策も講じてさ~どうして負けるかなぁ。」

「玉子、お前あいつと勝負してみろよ。いるかが絡むとマジ怖ええ、何でもありだ。」

「どういうことさ?」

「いや・・・まぁ・・・。」

・・・女装、ラブシーン・・・こいつに話すと、やぶへびになりそうな気がする・・・。

「すまなかったな。」

苦虫を噛み潰した顔で、巧巳が会話を終わらせようとした時、わぁっと教室が沸き返った。

巧巳と玉子は、前方に視線を戻す。

オスカル加納に手を取られ、マリー姫が再登場したのだ。

「凄えな。おい。」

巧巳が、企画立案の玉子に話しかけた。

しかし、当の本人さえ予想外のようで、目を見開いて、いるかを凝視している。

それもそのはずで、いるかの今日一番の華やかな姿に、誰も彼も、もちろん春海も目を奪われていた。

ゴスロリ風の、ピンクのドレスを身にまとい、目を伏せて歩く姿。

本人は、ただ単に恥ずかしいだけなのだが、その様子が可愛らしく。

赤みを帯びた頬が肌の白さを伝え、彼女の生来の幼さが、見目の愛らしさをより一層際立たせている。

「ここまでやるはずじゃ・・・巧巳・・・負けてよかったかもね。」

「俺もそう思うよ。」

勝利した時、いやその後のことを、考えるだに恐ろしい。

「それではマリー姫、優勝者山本春海君へ、一言お願いします。」

ゆっくり中央まで進み、いるかが春海の前に立ったところで、司会役の部員が言葉を促す。

彼女は憂いた様子で春海へと顔を向けると、決められた通り「優勝、お、おめでとうございます。」そう、言った。

いるかちゃんヨロシク画像 いるかちゃんヨロシクイラスト いるかちゃんヨロシク春海

口ではそう言いながら・・・いるかの心中は、悲壮感で一杯である。

出来ることなら、今すぐ逃げ出したいくらいだ。

しかし、女子サッカー部の一員としても、出店理由の一因、クラッシャー如月と言われた身としても、ぶち壊すことなど出来ない。

嫌だ~嫌だよ~~~~。湊~~!!!手作りの神話の大崩壊だよ~~・・・・。

いるかは心の中で、大きく叫ぶしか出来なかったのである。



・・・どうしてだ???

悲しそうな悔しそうな?気乗りしない、何とも言えない顔で、いるかが俺を見ている。

こんな顔をさせる為に優勝したわけではないが、かといって、この座を、他の誰にも譲れるわけは無いし。

こんな時、思いの差?心の距離を感じる・・・と、かなり大真面目に、春海は悩んでいた。

普段の彼なら簡単に気付くであろう事も、いるかが係わるとどうして・・・と、ここに倉鹿の仲間が居れば、話題になりそうだ。

中2のバレンタインチョコレート、あの事実から考えて、手作りケーキ等という数段難しいお菓子を、いるかがまともに作れる訳が無いのだ。

お茶くらい淹れられるようになったんだ!と、豪語するような彼女なのだから。

お互いの本心を口に出さず、いや出せず、すれ違った様子を見せる2人を、玉子と巧巳は見守るしかない。

それでもセレモニーは続き、問題?の手作りケーキ贈呈へと続く。

シークレット状態だったそれが、小奇麗な小皿に載せられ、マリー姫のサービスで運ばれるはず・・・春海はテーブルに座り、いるかの手作りケーキを静かに待つ。

近衛兵の部員がケーキをいるかに渡すと、衆目の中、いるかはゆっくりと春海へと向かった。

すると、

「えっ?」「アレ何だ?」

いるかの耳に届く痛い囁き・・・。

「たしか、チョコケーキだったよな。」

「黒い。」

「黒いぜ。」

「・・・食べれるのか?アレ。」

ケーキが通った所を、さざ波のように拡がる「黒」に、いるかは一生懸命平静を装いながらも、本心は泣きたい気持ちで一杯である。

それでもようやく春海の前に立ち、机にゆっくりとケーキを置いた。

少し手が震えている。

正面に座り、いるかは笑顔を引きつらせながらも

「チヨコレート・・ケケ・・・ケーキです。・・・そのままどうぞ。」と、言うしかなかったのだった。



目の前に置かれた「いるか手作りのチョコレートケーキ」を見た途端、春海の悩みは吹き飛んだ。

いるかが俺に、腕相撲大会に出てほしくなかった理由はこれか。

存外、心の距離は近かったようだ。

・・・ダメーッ、おなかこわすよぉ。じゃあ見せるだけね。食べちゃダメっ。自信ないんだから、ぎゃ~~~~~~~

在りし日の彼女を思い出す。

よっぽど頑張ったんだな。

ちょこんと置かれたチョコレートケーキが、こんなにも、愛しい。

食べるのが勿体無いほどだ。



優しく微笑みながら、小さな黒い物体を眺めていた優勝者山本春海は、礼儀正しく両手を合わせ「いただきます。」と言った。

下のカップは予め取られ、すぐに食べられるように準備されている。

彼は、小皿の横に置かれた手拭で丁寧に手を拭き、小ぶりな黒いそれを持上げ・・・。

カプッ!と半分を口に入れた。

ガリ!ポリポリボリ・・・およそケーキを食した音ではない。

固焼きせんべい?固めのクッキーを頬張ったような音が響くと・・・うわ、不味そう・・・と、生徒達が顔をしかめた。

しかし、食した本人はまったく逆のようで、心底美味しそうに、チョコレートケーキを味わった後。

手に持ったもう半分を、名残惜しそうに口に入れた。

もちろん、謎の音を響かせながら・・・。



あ!あああ、ああああぁ~~~食べた~~~食べてる~~~。

春海の顔は到底見れないが、耳に届く音で食べたのが分かった。

何か、変な音がしてるよ~~~。

あれでも一番マシだったのに~~~もう嫌だ~~。

泣きたい、逃げたい、食べないで~~~!と叫びたい。

いるかは、目の端にうっすらとためた涙をこっそり拭うと、やっとのことで顔を上げた。

春海は、柔らかく微笑みながら彼女を見ると「美味しかった。ご馳走様。」と心から言った。

いるかは、その春海の顔を見ながら・・・。

絶対、絶対、来年のバレンタインデーは、春海にちゃんとしたのあげるんだ!

手作りの神話を復活させるんだ~~~~~!!!と、硬く心に誓ったのだった。



続いて記念撮影である。

もちろん春海は、いるかとのツーショットを希望したが・・・。

如何せんいるかの心の傷(笑い)は大きく、笑顔など出来るはずも無い。

心此処にあらず、といった感だ。

こいつ、俺達の初めての2人きりの写真って気づいているのか?

春海は、横に立ついるかを見ながら思う。

「いるかちゃん、山本君、こっちを見て。いるかちゃん、笑って!」

この撮影の為に、わざわざ呼ばれたカメラ同好会の生徒が、いるかと春海に呼びかけ、いるかも必死に笑顔を作ろうとするが、やっぱり出来ないようで・・・。

とうとう、俯いてしまった。

「ごめん!ちょっと時間をくれ。」

いるかの様子を見かねた春海が、右手を上げながらカメラを構えた生徒にそう言うと、

「人魚姫」でのいるかを知る彼も、いつもと違うのが気にかかったのか「分かりました。」と、カメラを下ろした。

そして彼女の肩を抱き、カメラの前から一旦離れる。

・・・マジに旨かったんだけどな。どう言えばいるかに伝わるんだ。こんなことで傷つけたくない・・・。

春海は、俯いたままのいるかの額を軽く小突くと、体を傾け「頑張ったな。」と、小さく言った。

いるかがハッ!と顔を上げる。

目の前の彼の表情。

「旨かったよ。本当に、頑張ったな。」

・・・春海は、春海は解ってくれてる!・・・。

「うん。」

いるかは大きく頷いた。

あんな出来だけど、一生懸命、一生懸命作ったのだ。

何回も何回も、混ぜて焼いた。本当に頑張った!

いるかがやっと笑顔を向けると、春海も、人心地ついたのだった。

さてそうなると、彼の心にムクムクとわき上がってくる思い。

・・・コレくらいは、言ってもいいよな。

春海は、いつものようにいるかの頭の上に、ポフッと手を置くと、顔を覗き込み言った。

「お前さ、気づいてるか?初めて2人で写真とるんだぞ。」

「そうだっけ?」

・・・やっぱり気づいてなかったか・・・はぁ。

「そうだよ。それもあって優勝したんだぞ。」

少しすねた顔で彼は言う。

「へ?・・・あはは。春海、おめでとう。そっかぁ、初めての写真なんだぁ。」

きょとんとした顔で春海を見上げながら、やっといるかは、心からおめでとうを伝えた。

「ああ、だからさ。良い思い出にしたいんだけど。」

春海が、そう言いながら右手を差し出すと、

「うん。」

いるかは満面の笑みで、彼の掌に、自分のそれをのせたのだった。




「もう少し近づいて、はいチーズ。」

顔なじみのカメラ同好会の生徒は、絵になる2人の撮影を、一枚で終わらせる気は無いらしい。

せっかくだからと言って、シャッターを切り続ける。

いるかと春海も、楽しそうに笑顔でカメラに向かっている。

そんなフラッシュが光る一角を、巧巳と玉子はぼんやりと見ていた。

試食から撮影までの一連。

ある意味見慣れた?甘甘なやり取りは諦めて・・・。

アレを旨い?旨いって・・・春海って、どんだけいるかに惚れてんの(だ)~~~~!

彼らはもちろん、彼ら以外も、声なく叫び続けたのだった。

文化祭~黒~終わり


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コメント
NoTitle
春海最高!!かっこいい~(´∀`人)♪ 
愛ですねぇ。
いやー素晴らしい最終話ですね。
とっても満足です(TωT*)
2010/06/23(水) 08:53 | URL | 和流 #V0Zz7F9Q[ 編集]
和流様ありがとうございます。
コメントありがとうございます。

春海のいるかちゃんへの愛。
溺愛、激愛、親愛、いろいろあるかと思いますが、今回は、”激愛(嫉妬)”を中心に書いてみました。

それでも最後は、優しさが溢れる愛で〆ました。
満足して頂けて、嬉しい限りです。

度重なるコメント、いつもありがとうございます。
今後もヨロシクお願い申し上げます。
2010/06/24(木) 23:26 | URL | mame #4SSKmKVw[ 編集]
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