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~翼~前編

こんばんはjuniです。

mameさん新作をアップします。

今回は間違いなく前後編です。

(後編までmameさんから預かってます。)

ではどうぞ~



~翼~前編

「春海!」

少女は駆け寄る。

小柄な肢体に少し伸びた栗色の髪を揺らして、黒髪の少年の胸に・・・迷い無く真直ぐに。

満開の笑顔で。

少年は溢れる笑顔で両手を広げ受け止めると、「いるか、やったな!」と、腕の中の愛しい少女を勢いよく抱き上げ、そのまま頭上高く持ち上げた。

その周囲に駆け寄ってくる友人達。

「完全優勝だせ。」

「おめでとう!凄いじゃん。」

屈託無く笑いながら、2人に声をかける。

「やったね~。」

「ああ。」

いるかと春海は、巧巳や玉子、陸上部員達に囲まれ笑いあった。

前年の違反行為(倉鹿修学院未登録選手の出走)で里見学習院の優勝は取り消され、黒百合高校も妨害行為で2位取り消し、繰り下げ3位の高校が優勝となった。

しかし・・・その場にいた者、テレビ放映を見ていた人々の記憶には、彼ら里見学習院の選手の姿が鮮明に残った駅伝大会となった。

そして今年の「夏休み高校対抗駅伝大会」、ライバルの黒百合高校は前年の不正の為出場停止となり、優勝候補の筆頭として出場した里見学習院は評判通り、いやそれ以上の好成績で優勝した。

いるかと春海と巧巳の3人は、再び助っ人として出場し、まさにぶっちぎりの優勝をはたしたのだ。

黒百合高校が出場していたとしても、敵うべくも無い記録で。

曇り一つ無い、過去最高(来年の大会以降は、出ることの無いだろうと予感させる・・・)での優勝であり、アンカーの笑顔の少女が、一躍有名になった出来事だった。




「優勝おめでとう。」

久しぶりに聞く声に春海は振り返り、

「ああ、三田村さん。お久しぶりです。」約半年振りのその顔に挨拶した。

去年の箱根駅伝の優勝は取り消されたものの、もともと実力を認められていたこと、学力的にも問題の無い彼は、現在は里見学習院大学の陸上部に所属している。

男子長距離走に特に力を入れるそこで、1年ながらも次期ホープとして期待を受けている三田村。

「相変わらずいるかちゃんの走りはすごいね。」

彼は少し困ったように破顔して言った。

去年のことを思い出しているのだろう。出場を決める草壁との勝負と、駅伝当日のラストスパート。

本職の彼らの十八番を、完全に奪ったその走り。

「そうですね。」

春海も笑って答えた。

・・・色んな意味で、常識が通じる奴じゃない。俺だって最初は、こいつは何なんだ!って思った。

春海からすると突然現れた三田村だが、どうも彼を探していたらしい。

「ちょっといいかな・・・?」との先輩の言葉に、俺に何の?と思いつつも、「良いですよ。」と快く返事をし、春海と三田村は、すでにひと気の無いゴール前に足を運んだ。

そこは、先刻までの喧騒が嘘のように静まりかえっている。

折畳んだテントの足と白い布地が、祭りの後を思い起こさせるくらいだ。

ゆっくりと歩を進めていた三田村は、春海の方を振り返ると、おもむろに口を開いた。

「山本君、去年の駅伝の後に東条君から聞いた話だと、君は、草壁との勝負の時、いるかちゃんが勝つと確信していたそうだね。」

・・・いやに唐突だな。

「ええ、まぁ。」

突然何の話だろうと思いながら、春海は同意した。

「それは、どうしてだい?」

・・・別段隠すことでもない。

「いるかと俺は、長距離走の勝負をしたことがあるんですよ。」

「それは初耳だな・・・。あー・・・、いるかちゃんと山本君、どちらが勝ったのか聞いてもいいかな。」

三田村は少し間を置くと、かなりの興味を示して言葉を促した。

「決着はつきませんでした。どちらかがリタイヤするまでって勝負だったんですが。」

アレを知っている人間なら、あいつとまともに勝負しようとは思わないだろう。

あの時のことは、春海でさえ今でも笑えない。

「そうか、山本君と勝負して、決着がつかなかったんだ・・・。」

考えるところありと言う顔で、三田村は彼を見た。

そうこうするうち、意を決したように口を開くと、

「山本君、君は、如月いるかという人物の才能をどう見る?」

真剣な面持ちで、三田村は言葉を重ねた。

彼らが婚約者同士であることは三田村も知っている筈、なのに、わざわざフルネームで訊ねる彼を、春海は怪訝な顔で見る。

三田村自身、婚約者のことを問う言い方でないことは承知である。

それでも言葉を続けた。

「君が一番、彼女の可能性を解っていると思うんだ。」

「・・・。」

春海は、初めて見る三田村の様子と、言葉に詰まった自分自身に、戸惑いを覚えたのだった。

~翼~後編へ続く


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