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~最後の冬~中編

こんばんは~juniです~。

~最後の冬~中編をアップします。

どぞ~(^^)




~最後の冬~中編

「お前ら最近会ってないんだってな。」

「・・・・。」

進、なぜお前が知ってると、目を座らせて電話の向こうに無言で返す。

「大川から聞いた。いるかとも話したし。」

何でお前がいるかと喋ってんだ・・・と、心の中で返事が続く。

返事の聞こえない受話器越しの相手に、

「春海お前、これくらいで動揺するなら、電話の1本でも入れて会いに行けよ。」

見透かした一言が、彼の重い口を開かせた。

「出来るものならやってる。」

・・・やっと出た一言がこれか。自分で自分が嫌になるぜ・・・。

春海は、自身の不甲斐無さに溜息を吐いた。

「はぁ、相変わらずいるかが絡むと別人だな。」

「・・・要件はなんだ。受験勉強で、お前も俺も忙しい時期に。」

染まった頬を見られないのが、まだしも幸いだ。

「受験勉強ねぇ。」

・・・こりゃ重症だ・・・。

「徹君が俺に電話して来た。”お兄ちゃんが変なんだ。ボーっとしたりイライラしたり、部屋の中から何かをぶつける音がしたり。”ってな。」

進は、倉鹿での彼を思い出す。

普段冷静沈着なこいつが、驚くほど動揺し感情的になるのは、いつもいるかがらみの時。

「かなり心配してたぞ。」

・・・その上、受験勉強を理由にするなんて、プライドの塊のこいつが・・・。

「倉鹿の俺に、わざわざ電話するくらいだ。」

春海は返す言葉を見つけられない。

彼自身が言い出したことだが、望んでこんな状態になったわけではない。

苦渋の選択なのだ。

「いるかから伝言だ。”14日いつもの公園で6時に待ってる”・・・だそうだ。」

「・・・解った。」

そういえば、もうそんな時期だった。

春海は、一年で一番幸せなはずの日を、初めて暗い気持ちで受け止めたのだった。





「よし!」

いるかは鏡の前で最後のチェックをすると、胸の前で両の拳を握った。

今日は待ちに待ったバレンタインデーだ。

冬の夕方、薄暗い外に目線を移す。

一年で、最も冷え込む2月。

今日も気温は低い。

・・・天気は大丈夫そう。良かった。2次試験前に風邪でも引いたら大変だし・・・。

里見進学が決まっているいるかと違い、春海は、まさに今が正念場だ。

その彼の顔を見ないまま、約3週間が過ぎようとしていた。

1週間前の進からの電話。

「大川から聞いたんだ。大丈夫か?」

遠く離れても優しい2人。

「春海の、受験勉強の邪魔はしたくないから。」

深くは聞かない・・・彼らの温かさに顔がほころぶ。

用事があって春海に電話すると言う進の、

「伝言は無いか?会いたいって言ってたぞ!とでも言うか・・・。」

少々からかい気味のセリフに、首を横に振る。

会いたい。凄く会いたいけど、寂しいけど。

・・・春海の邪魔になりたくない・・・それも本心だ。

でも・・・バレンタインデーだけはと、伝言を頼んだ。

さすがの春海も・・・今回は余裕がないんだな・・・と、いるかは素直に思っていた。

国内最難関の法学部一本という現実と、彼の様子。

周囲から、散々話を聞いた結果もある。

一部の者は、確信犯的に別の意味を込めていたが・・・。

いるかは時計に目をやり、最後に会った時の春海を思い出した。

一次試験が終わった頃までは、いつもの彼だった。

でも、その後くらいから、徐々に違和感を感じていた。

そして・・・やっと絞り出した様な彼の言葉に、有無を言わせない力を感じた。

・・・寂しいけど仕方ないもん。今、あたしに出来ることをしよう・・・。

春海が、少しでも元気になればと、今年もミルクたっぷりの手作りチョコレートを作った。

そして、今日の春海との時間は、いるかにとっても重要な意味を持つ。

・・・あの事は、春海を見てから決めればいい・・・。

鏡の中には、いつもよりオシャレした自分が居た。

久しぶりに会える嬉しさと、自分を勇気づける為の、今日の装い。

かもめと相談しながら買った、ちょっと?短めのスカート、そしてボレロ風のジージャン。

その下には綺麗な色の、優しく体にフィットするセーターを合わせた。

ジージャンの下からは、いるかの細くしなやかな腰のラインが見え、ボレロ下の長めのセーターの裾から、柔らかな生地のスカートがフワリとひろがる。

いるかの、小柄ながらスラリとした、形のいい足がとてもよく映える。

首にはリボン結びのマフラー。

唇には、かもめの「頑張れ!」の言葉と共に貰った、淡いオレンジのリップがのせられている。

「おかしくないよね。」

彼女は呟き、もう一度鏡を覗き込んだ後、小ぶりな紙袋の取っ手を握った。

中身はもちろんチョコレート・・・緋色のリボンで飾られた。

「チョコレートも今までで一番の出来だし・・・よし!行くぞ。」

・・・あたしの言う通りにするんだよ・・・。

いるかは、かもめの言葉を反芻しながら、自室のドアに手をかけたのだった。

~後編へとつづく~


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