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~さくら~ ②

こんばんは~juniです。

柱| ̄m ̄) ウププ!そんなに春海は驚いたんだねぇ。
良かった良かった?


~さくら~ ②

お見合いの席の向こうは、一面ガラス張りとなっていて、見事な日本庭園が眺められた。

和室の中には、非毛氈に瀟洒なテーブルと椅子が持ち込まれ、明治の日本のような雰囲気をかもし出している。

若い2人にあわせ、長時間の正座はきつかろうと、お世話人である外務大臣が、心を砕いてくれた結果だ。

そこへ、山本家、如月家面々が通される。

外務大臣が立たれて迎えると、席を案内される。

正面に世話人である外務大臣ご夫妻、その両側に、両家が合い対面する形で腰を下ろした。

両家が着座した所を確認して、

「本日は、昨日までの雨も上がって、本当に良いお日柄になりましたな。」

世話人である外務大臣が、柔らかな笑顔で言った。

「大安のこの良き日に、前途有望なお2人のご縁のお手伝いが出来て、本当に嬉しい限りです。」

その態度には、高飛車な空気は微塵も無く、今日の見合いの世話人を、心から喜んでいるのが見て取れた。

そんな中、何処までも緊張の面持ちのいるかと、常に無く、どこか上の空の春海、2人のお見合いは始まったのだった。



正式なお見合いともなれば、付添い人と親での出席だろうが、今回は未成年ということで、双方の親・家族(親族ではない・・・)が付添い人を兼任することとなった・・・はずであった。

かくして、山本家からは父と息子。

弟徹は「僕が出て行く席じゃないしね。」と、自ら出席を辞退した。

父は「一緒で構わないんだぞ。大臣にもあちらにも、ご了承を得ているから。」と言い、春海も異存は無かったのだ。

が、逆に徹の一言で、彼の辞退を有り難く受け入れた。

「僕がいたら、いるかちゃんが落ち着かないかもしれないよ。はしゃいじゃうかも・・・って思って。」

そんな事は絶対無い!とは言えないのが、「如月いるか」の「如月いるか」たる所以。

そして、如月家からは祖父と父と娘。

祖父上野介は、わざわざ倉鹿から上京すると、付添い人として絶対に見合いの席に出る!と言い張る。

「父さん、僕と葵といるかで出席しますから。」と鉄之介が言ったが、頑として聞き入れない。

「春海といるかを引き合わせた、わしに任せて置けばいいんじゃ~。お主こそ不要じゃ!」とまで言う始末である。

鉄之介は「そんなぁ~。」と半泣きで妻を見たが、葵は端から、上野介は同席するだろうと思っていたらしく。

「鉄之介さん、お義父様がご出席して下さるなんて有り難いことじゃない。お義父様と、あなたといるかで出席なさったら。」と、ケロッとして言った。

しかし当日になって、朝から緊張しっぱなしのいるかの状態を見て、ホテルまではと同行し、別室での待機と相成った。




外務大臣が、まずは主役の2人のご紹介をと、山本家の方を見ながらいるかを紹介をする。

「こちらは如月いるかさんです。」

いるかは両親に言い含められていた通り「いるかです。宜しくお願います。」と挨拶をする。

次に如月家の方を見て、春海を紹介する。

「こちらは山本春海君です。」

「・・・・。」

当然かえって来るであろう返事が来ない。

「春海君?」外務大臣がもう一度呼ぶが、上の空の彼の耳には入っていないらしい。

父は慌てて「春海!」と呼びながら、息子の肘を己が肘で小突いた。

はっ!と、彼は今しがた目覚めたように、「あ!申し訳ありません。山本春海です。宜しくお願いします。」と返事をした。

同時に、その場に居た大人から(春海父を除いて)どっと笑いがあがった。

「さしもの山本春海君も、今日のいるかさんの姿には驚いているようですなぁ。私もそうなのですよ。」

外務大臣の口ぶりは、2人の事をそれなりに知っている様子である。

それもそのはず、もともと大臣は無類の高校野球好きで、特に地元東京代表2校に関しては、毎年熱心に応援している。

去年の夏は、母校の里見学習院が代表に決まったことで、テレビに噛付いて尚更熱心に応援していた。

高校一年生ながら、控えの投手がまったくいない中で、夏の大会をたった一人で投げる山本春海投手の姿には、高校野球ファンでなくとも感動を呼んだ。

大臣にいたっては、母校里見学習院の山本春海投手の激投ぶりに、いたくいたく感動したのだ。

その上、かの駅伝大会のテレビ中継も見ていた・・・あの山本春海投手と東条拓己選手が助っ人で出場するとあっては、見られずにはおられないという訳である。

母校里見のアンカーは、信じられないことに女の子で、ふざけるのもいい加減にしろ!と憤慨して見ていれば、あの、いるかの男顔負けのラストスパートである。

その走りは鮮烈な記憶を万人に残し、最後の一幕まで、笑いを禁じえない青春の一幕として、大臣の記憶に深く残った。

その後、山本代議士から話があった時、代議士の説明と釣書を見て、すぐにかの投手が彼の息子とわかった。

ついで、お相手の釣書を見て、かのアンカーの少女だろうと思いつつも、その後、その場に居た山本代議士本人からも、その時の話を詳しく聞いていたものだから・・・。

外務大臣は、お世話人を喜んで引き受けただけでなく、常に無く心を砕いて、今日の良き日を準備したというわけだ。

「いるかさん、先頃の女子サッカー全国大会の決勝戦、テレビで見せて頂きましたよ。素晴らしい活躍でしたなぁ。」

大柄な選手達の中、ひと際小柄で華奢な彼女が、ゴリラのようなキーパーの顔面にシュートを打ち込み、相手選手の体ごとゴールポストに叩き込んだ。

「愉快、爽快、豪快なシュートでした。しかし、今日のご様子は・・・・本当にお美しいの一言ですよ。」

はっはっはっはっはっと笑いながら、外務大臣は至極ご満悦である。

いるかは恥しくて、真っ赤になってしまった。

そして、春海は、相変わらず、いるかばかりを見ている・・・様子に、とうとう祖父が口を開いた。

「申し訳ない。この爺も一言宜しいかな。」

「いるかさんのお祖父様、たしか倉鹿修学院の学院長をされておられるとか・・・どうぞどうぞ。遠慮なさらず。」

外務大臣は、快く言葉を譲った。

「春海君とお父上は、共に私の教え子でしてなぁ。そして、春海君と孫のいるかは、倉鹿修学院の中等部で出会っておるのです。」

「そうなんですか。」

大臣は、それは初めて聞きますといった体である。

ついで上野介は、春海を見ながら呆れたように言った。

「こりゃ春海、しっかりせんか!お主の気持ちもよう分かるがの。」

上野介はいるかに目をやり、確かに春海が驚くのも無理はないのう・・・と思う、思うが。

春海が、学院長の言葉に反応し赤くなる。

「さあすが、ワシの孫じゃ!と言いたい所だが・・・大変お忙しいお方が、わざわざお時間を裂いて下さっておるのじゃぞ。」

「申し訳ありません。」

素直に恥じ入る程、春海は、いるかの着物姿に見惚れていたのだ。

いつの間に、彼女はこんなに美しくなっていたのだろう。

一番近くにいたはずなのに・・・。

「いやいや、私の事は気にされないで下さい。あの落ち着き払った山本投手の、この様な姿が見れて、実は楽しんでおります。」

カンラカンラと笑いながら大臣が言うと、

「不肖の息子で、申し訳ございません。」と、父が頭を下げた。

「いやいや不肖だなどど。里見学習院の野球部のエース、その上首席と聞き及んでおりますよ。素晴らしい息子さんではないですか。」

「本当に、我が家のお転婆娘には、春海君は優秀すぎて勿体無いです。」

鉄之介も相槌を打った。

その後大臣は、さて・・・と言いながら、2人の顔をかわるがわる見る。

俯き加減のいるか、落ち着かない様子の春海。

「そうですなぁ。若いお2人にはこの席は堅苦しいでしょう。どうでしょう。ホテルの中を散策されては?」

時間的には少々早いが、世話人としての決まり文句を発する。

彼としては、この2人を今さら紹介する必要も無いだろう・・・そんなとこだろうか?

大臣の発言に、各々の父が声をかけた。

「春海、甘えさせて貰いなさい。」

「いるか、春海君とちょっと散歩でもしておいで。」

その言葉に、2人はほっと胸をなでおろす。

そして「失礼します。」といい置き、その場を辞したのだった。

2人が席を外すとすぐに、大人だけの会話が始まった。

「いやぁ、如月君。今日のいるかさんには本当に驚きましたよ。」

大臣がまず驚きを隠さず言うと、すぐさま山本代議士も同意する。

「息子が惚けるのもしょうがないと思います。私も驚いていたのですよ。」

「いやぁ。そんな、まだまだ子供です。」

鉄之助は、思いもよらぬいるかへの賛辞に、親馬鹿を全開にし、その様を、上野介は呆れて見ていた。

「たしかに、今日のいるかには驚きましたが・・・わしとしては、いつもの孫が好ましいですなあ。女の子の成長は早いですからのう。」

春の陽気に、桜が一斉に開花するように、少女は突如姿を変える。

「わたくしも・・・。」

それまで黙っていた大臣の細君が、静かに口を開いた。

「主人と一緒に、先だってのサッカーの試合を応援させて頂いておりましたから、今日は、元気な女の子を想像しておりましたの。」

そう言って、いるかが退席した場所に目を移す。

「大輪の華のようでしたわ。誰のために咲いたのでしょうね。」

ついで大臣が、春海がいた席に目をやり、

「ご子息は、きっと苦労しますよ。華の周りにはどうしてもね。」

からかうように言うと。

「それも本人が選んだことです。」父は笑って答えたのだった。

~さくら~ ③へ続く

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