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~文化祭~Xday 人魚姫 ⑤~

こんにちは~juniです。

お昼休みの更新です。
早く更新しないと~!って思いまして頑張ってみました。

ひとり占めはいけませんよね。
あぁ挿絵が間に合わなかった (TmT)

~文化祭~Xday 人魚姫 ⑤~

・・・むかつく。

春海は一人肩を震わせ、舞台上の2人を見た。

王子と人魚姫の2人だけのシーンが続く。

王子に愛されるために、痛い足を我慢してダンスを踊る人魚姫。

笑顔と軽やかなステップ、流れる金髪。

ひたむきな人魚姫は、いるかの性格そのままで、誰もが心惹かれるだろう。

見惚れる王子と従者達・・・どう見ても演技ではない。

・・・隣国の姫様の出番は後半からだからさ、生徒会の仕事を少しやってから練習に合流したら?

玉子の助言をありがたく聞きながら、いるかとの時間をより多く取るためにと、早々に雑務を切り上げ練習には参加していた。

とはいっても、王子と人魚姫だけのシーンは、あまり見ていないというか、見ないようにしていたと言った方が正しいのか。

もちろん脚本は読んでいたから、こんな場面がある事も知っている。

知っていると見ているとでは、かくも違うものなのか!

とにかく、湧き上がるこの怒りは何処に向けるべきか!

無意識に、手近にある物を引っ掴んだ・・・薄く光りながら、まるで使って下さいと懇願するかのように見えるのは・・・俺の気のせいか?

そして、とうとうやって来た、最もムカつくシーン。

「私はお前が大好きだよ。お前は私の悲しい気持ちを察して、一生懸命慰めようとしているのだろう。なんて優しく、美しい娘だろう。」

つぶらな瞳で、人魚姫が王子を見上る。

「私は近く結婚しなくてはいけないのだ。この国の、たった一人の王子として。」

初めて2人が出会った海岸、王子と人魚姫は、岩に腰掛けている。

「本当は、私の命を助けてくれた、あの人が好きなのだ。清らかで、慈悲の心に富んだ、お前にも何度も話した、あの娘。でも、どうしても、見つけられなかった。」

悲しそうな王子に、手を差し伸べる人魚姫。

その手を取る王子。

「私が、あの娘以外で結婚するならば、それは、お前しかいないよ。」

やはり俺は、こんな男、真っ平ごめんだ!演技でも、絶対無理だ!いっそ俺が、絞め殺してやりたい。

怒りで震える肩、手の中のボールに力が・・・ふと、巧巳が、俺の方を見た気がした・・・。

王子は、人魚姫の手をゆっくりと持ち上げ、その手の甲に、己が唇を近づけた。

そんな演出ねえだろ!と、思った時には体が動いていた。

バシ!

巧巳の頭にヒット!・・・したはずのボールは、人魚姫の手の中にあり、姫は、体全体を使ったオーバースローで投げ返す。

ボク!!鳩尾のど真ん中ストレート!

「痛て!ゲホッ」

春海が堪らず声を漏らすと、ドワッ!と、再び湧き上がる笑い声。

王子が舞台袖に向かって、誰にでも分かるように視線を送りながら、

「私の命を助けた娘以外で結婚するならば、誰よりも強く強く!・・・優しく美しい、お前しかいない。隣国の姫との対面式には、お前も来てくれるね。」

と、至極上機嫌な笑顔で一言付け足すと、会場の笑い声は、一層高まるのだった。




仁義無き戦いがはじまった。

春海も巧巳も、もう玉子の考えは読めている。

ああ!乗ってやるよ!どこまでもな!

隣国の姫とのご対面。

「隣国の姫のおな~り~。」の声に、ドレス姿の春海が舞台に現れると、どよめきが湧き上がった。

想像以上に美しい姫君姿。

並みの美女?でも敵わないだろう。

流れる緑なす黒髪、白い肌に涼しげな瞳と赤い唇、控えめな装飾のワインレッドのドレスが、一層彼女?を引き立てる。

その美しい姫を無視して、王子は人魚姫と楽しく踊り続ける・・・もちろん演出では無い。

その美女は、舞台に現れるや否や、つかつかと2人に歩み寄ると、王子と人魚姫の間に割り込んだ。

そして、あろう事か人魚姫の手を取り、

「お可愛らしいお姫様。私の妹になって下さい。」と微笑んだ。

それにはさすがに、玉子と加納が、ちょっと待て!!!と、冷や汗を流す中。

眉間に青筋を立てた王子が、

「君は、あの時の娘。隣国の王女とは、あなただったのですね。」と棒読みし、人魚姫に伸びた腕(手では無く・・・)を握った。

しかし、どうみても、一人の愛らしい姫を奪い合う、ぶちきれ寸前の王子と美女の構図、一触即発である。

どわはははは!ピューピュー!

場内に爆笑の渦が巻き起こる。

その上2人は、人魚姫を挟み頭上で睨み合いをしたかと思うと、両手をつかみ合い、四つに組みだした。

王子のお妃選びの舞踏会は、王子と運命の美女の戦いへと変貌し・・・場内からは、割れんばかりの声援が飛びかう。

「お姫様頑張れ~!」

「王子負けるな!」

「どっちも頑張って~~~!」

力比べと両手をがっしりと組み、顔と顔を2人は近づける。

そんな2人を、おろおろと見上げる人魚姫・・・の表情に、異変が起きたとほぼ同時。

ゴッ!と鈍い音がマイクから会場に響いた・・・王子と美女の顎に、人魚姫の頭突きがヒットした快音に。

もう、堪らんと腹を抱える生徒達。

顎を押さえる王子と隣国の姫。

舞台袖では、玉子と加納他一同が、涙を流して笑う始末。

そんな止まる事を知らない笑いの中、我に返った王子と隣国の姫は、ロマンスの終着点へと向かっていった。

~文化祭~Xday 人魚姫 ⑤~

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